変調
上記の「四声」は基本ですが、後ろに来る語との組み合わせで、声調が変化する場合があります。
これを「変調」といいますが、 下記のように一定のルールがあります。
一度には覚えられませんので、 この部分を「お気に入り」にして何度も確認して身に着けてください。
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1) 第三声の第二声化
-1 第三声が二つ並ぶと、はじめの第三声は第二声に変化する。
你好 nǐ hǎo ⇒ níhǎo
很好 hěn hǎo ⇒ hěn hǎo
ただし、これは「かならず」でもない。たとえば、「欢欢喜喜在一起」 の場合、
huān huān xǐ xǐ zài yì qǐ と
3声のまま読むこともある。
-2 第三声が三つ連続すると、基本的に最後の第三声以外は第二声に変化する。
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(「“一 yī”の変調」のまとめはこちらに。)
2) ”一”(本来は第一声 yī )は、あとの文字が第四声であると、第二声 「yí」 に読む。
yí ge 一个
(yí gè) |
yídìng 一定 |
yí cì 一次 |
yí yàng 一样
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yí xià 一下 |
yí kuài 一块(1元) |
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《 ” 一 y ī” の本来とは 》
①単独で読むとき、 ②語尾にある場合、 ③序数として用いられる場合
(順番を言うとき:yīyuè (一月)、yīhào (一号) ) などです。
十一 |
shí yī ( ”十 shí "の前後は yī :本来のまま。) |
2001年 |
èr líng yī nián |
一月一号 |
yī yuè yī hào |
星期一 |
xīngqī yī |
第一次 |
dìyīcì |
NHKテキスト「テレビで中国語」古川裕 著より
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3) ”一”(本来は第一声 yī )は、あとの文字が第一、二、三声であると、第四声 「yì」 に読む。
yìbān 一般 |
yìqǐ一起 |
yì máo 一毛(1角) |
yì bǎi kuài 一百块(100元) |
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4) 「動詞の重ね型」で、一” が使われる場合、 ”一 yī” は軽声になり、 「yi」となります。
看一看 kànyikàn 走一走 zŏuyizŏu 想一想 xiǎngyixiang
听一听 tīngyitīng 试一试 shìyishì
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後に続く語の声調 |
一声 |
二声 |
三声 |
四声 |
本来 : 第一声 yī |
本来の用法では、後の語の声調にかかわらず、第一声 yī を保ちます。 |
一班(一組)
yī bān |
2001年
èr líng yī nián |
一等品(一等級)
yī dĕng pǐn |
一月一号
yī yuè yī hào |
変
調 |
第二声 yí |
- |
- |
- |
一定
yídìng |
第四声 yì |
一般
yìbān |
一毛(1角)
yì máo |
一起
yìqǐ |
- |
軽声 yi |
「動詞の重ね型」で、 ”一 yī” は軽声になり、 「yi」となります。 |
听一听
tīngyitīng |
平一平(平にする)
píngyipíng |
走一走
zŏuyizŏu |
看一看
kànyikàn |
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“幺 yāo” : (数字の)一。 1。
電話番号やルームナンバーなどの数字を棒読みする場合、 “七 qī” と間違えないように
“一 yī” の代わりに用いる語です。
⇒ これも後の数字の声調により、 “一 yī” と同じような変調をするようです。
“幺 yāo” は単独に、あるいは一つ一つ区切って言うときにのみ用い、整数を構成したり、
量詞をつけたりして用いることはできません。
物の数え方(数量詞)はこちらに。 |
5) ”不”(本来は第四声 bù )は、あとの文字が第四声であると、第二声 「bú」 に読む。
不吃 bù chī |
不认真 bú rènzhēn |
不多 bù duō |
不来 bù lái |
不好 bù hǎo |
不是 bú shì |
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6) 熟語で、”不”(本来は第四声 bù )が、「軽声」になる。
比不上 bǐbushàng 比べものにならない |
差不多 chàbuduō ほとんど |
⇒ このほかの例はコチラに。
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7) ”不”を含む成語で、”不”(本来は第四声 bù )が、本来の声調が失われ、 「軽声」になる。
吃不住。 chībuzhù |
支えきれない、
耐えられない |
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8) 成語で二番目の語の本来の声調が失われ、 「軽声」になる。
稀罕: 珍しい、ほしがる
xī hǎn → xīhan |
清楚: 明らかだ、頭が切れる
qīng chŭ → qīngchu |
地方: 場所、部分、ところ
dì fāng → dìfang |
馒头: 蒸しパン、中華まん
mán tóu → mántou |
衣服: 服、着物
yī fú → yīfu |
故事: (物語、お話)
gùshì → gùshi |
云彩: 雲
yún cǎi → yúncai |
喜欢: 好きだ、うれしい
xǐ huān → xǐhuan |
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9) 「動詞の重ね型」で、”AA”の場合、二番目の声調は失われ、「軽声化」されます。
谢谢 xièxie
尝尝 chánchang 试试 shìshi 听听 tīngting
看看 kànkan 走走 zŏuzŏu 想想 xiǎngxiang
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10) 数詞 ” 十 shí ” の変調 :
” 十 shí ” は数の間にある場合は、”shi” と ”i” は「軽声」になります。
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11)er (r) (アール)化 : ”儿 ér” が他の音節の後につくことを「アール化」と言います。
アール化すると動詞や形容詞が名詞化したり、「小さい」「かわいい」などの意味が加わることがあります。
また、形容詞を重ねてアール化すると、重なった語の後ろのほうが第1声に変化します。
ピンインは e を取り、 r だけを表記します。
音節の最後を発音すると同時に、舌を巻いて発音します。
⇒ 慢慢儿 màn mānr ゆっくり |
アール化された語末が “n” のとき、「“n” は発音されません。」
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12)方位詞の 1音節の名詞は通常、「軽声」になります。
方向や位置を表わす言葉「方位詞」は名詞のすぐ後ろに置かれますが、
1音節の名詞は通常、「軽声」になります。
・眼镜在客厅的桌子上。 yǎnjìng zài kètīng de zhuōzishang.
めがねはリビングのテーブルの上にあります。
・请写在黑板上好吗? qǐng xiĕzài hēibǎnshang hǎo ma?
黒板に書いてもらえますか。
⇒ なお、この方向や位置を表わす言葉「方位詞」の注意点はこちらにあります。 |