『希ト喜と』の
生・快・縁『希ト喜と』のスイカ栽培
【黒玉(デンスケ)・種なしスイカ の栽培】
はじめに 播種 人肌発芽 大型トンネル
育苗~整枝 収穫 まとめ
希ト喜と』は スイカ栽培 にも注力します!
はじめに
どうすれば甘いスイカを作れるのか?
これまでも 生・快・縁『希ト喜と』 ではスイカを栽培してきました。
収穫適期のミスもなく、そこそこ甘さもあり、
人に食べてもらうと『甘くておいしいですね』と言われていました。
しかし、
❶ 【もっともっと甘いスイカ】を作りたい。
❷ 【甘い種なしスイカ】を作りたい。
の思いが強くなり、挑戦することにしました。
そこで、スイカ栽培の基本から見直す作業から始めました。
以下にその報告をします。

全般
今まで、シーズン初めのスイカは『購入苗』でした。
加温設備はあるにはあるのですが、電気代がバカにならず使っていません。
ということで、
① 栽培時期が限定されてしまう購入苗でなく、『自家苗』にする。
   (無加温設備でそんな事ができるのかしら?)
② 発芽率(歩留まり)を良くする
③ 品質(糖度、形質)を良くする
これを目標に作業改善することにしました。
   
播種
当地で2~3月にスイカを普通に播種すると無加温では1ヶ月近く(以上の時も)かかる
(気の短い人は、「種がもうダメになった」んだろうとあきらめてしまう程だ。)
(というのは当方の腕が未熟の所為?)
更に、発芽率(歩留まり)が良くて8割ぐらい
それでも『省エネ農業』が基本の当 生・快・縁『希ト喜と』 では「自然に任せる」ママにしていました。
しかし、このままでは時間的ロスがあるので改善の要がありますね。

 そこで試したのが人肌発芽(発根)】(めんどり発芽(発根))です。
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人肌発芽 (めんどり発芽)
めんどり発芽」ってある事は前に知っていた。
今年('17)も「中玉スイカ虎太郎」と「種なしスイカほお晴れBB」を無加温ハウス内で
4/12に播種したが発芽が遅い。
発芽状態は、5/1に「虎太郎」が22ポット中13ポット。「ほほ晴れ」が18ポット中11ポット
やっぱり、相変わらず、やなぁ。
いつもお世話になっている近くの種苗屋さんが、
めんどり発芽」をやってる人がいると言っていたので
実際にやってる人が近くにもいるのかと思い、『試しにやってみるか』とやる事にした。
先ずは普通のスイカで
1)サカタ 黒玉スイカ タヒチ

2)中原採種場 虎太郎 西瓜

手順
1)種を2~3時間水に浸漬する。
  ➠但し、同じ西瓜でも
  絶対にやってはいけない
  ものがあるんです! (下に記載あり)
2)ペーパータオルを少し水にぬらし
  そこに種を入れくるむ。
3)廃ストッキングなどに入れ
  腹に巻き付ける。

  
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普通のスイカの【人肌播種】の発芽結果
品種 人肌播種 開始日 2日後の発芽状況
('17-4/27)
その後の状況
サカタ 黒玉スイカ タヒチ '17-4/25
54粒
37粒発芽(17未発芽 '17-4/28 16発芽
4/29残1粒も発芽
タキイ ブラックボール2 '17-4/25
13粒
13粒全発芽 '17-4/28 上記の16粒と
ポットに移植した
食品保存用のストックバッグに入れる
4/27の発芽状況
4/28 ポットに移植
◎ 2~3時間種を浸漬しとにかく、「翌日に発芽(発根)したのは驚きました。
◎ 発芽したものをポットに移植してから「再芽出し」するのは2~5日ほど。
  どういう訳か、発芽がなかなかそろわない。
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最後に発芽したものを
頭を出した状態にして移植した。
上のようになかなか発芽がそろわないので
このようにした方が確実に成長するのではないか。
移植後の発芽が進まないのは多分、無理に発芽させられて
生命力が付いていないからなのかもね。
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種なしスイカの【人肌播種】の発芽結果
使ったのは
ナント種苗の『3Xブラックジャック
「種なしスイカだって普通のスイカと同じだろう」と思って
1)種を2~3時間水に浸漬
2)それを上記の【人肌発芽】をする
とやってみた。
普通のスイカのように、「すべて発芽しているだろう」と
翌日期待を込めて腹巻をほどいてみると
何の変化もない!
おかしいと思い、種袋の中にあった説明書を見てビックリ!
水に直接浸漬させては絶対にいけません
と「注意書き」が書いてあったのです。
その理由は
➠「吸水し過ぎにより休眠または死滅の危険があります!』
との事。
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吸水し過ぎにより休眠または死滅の危険」って?
種を2~3時間水に浸漬して『死滅』する筈はないだろうから、
あるとしたら、【休眠】だろう。
で、「休眠打破」というのを思い出した。
『タネがある不利な条件におかれたとき、それに耐えるために休眠に入る現象が見られる場合があり、
これを二次休眠と呼び、この休眠中も発芽が抑制されます』との事。
さらに、
『高温はホウレンソウの休眠を二次的に誘導するので、さらに冷蔵庫に入れて発芽を促し
発根させる』とも。
だとしたら、
「浸漬した種は『休眠している』
ならば、
『休眠打破のために種を冷蔵庫に入れて発芽させてみよう』と思い
実際にやってみた。
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それにしても、「発芽させるのに【冷蔵】するってのは信じ難いなぁ。
一般的に、発芽というと「15℃~30℃」のイメージ。
要するに、「暖かければ発芽する」と思っていたんですが…
案ずるよりも…
一般のスイカは【人肌発芽】(めんどり発芽)でほとんど発芽(発根)するのに
種なしスイカ(3倍体のスイカ)は何故発芽しにくいのか?
『とにかくやってみよう』と冷蔵庫で休眠打破をしてみた。

御覧の通り発根し始めた。
その後、ポットに植えた。【下】
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人肌発芽した苗をポット植えする時の注意
自力で発根したものに比べ生命力が弱いので
植え付けは
根を下に
種部分を土から頭を出す程度に
静かに注水
するようにしないと、成長しない株が出ます
補足
「人肌発芽」とは言いますが
何が何でも『腹に巻く』必要はなく、スチロール箱に入れ、夏は常温で(冬はカイロを下に敷く)等しても
大丈夫でした。
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育苗~整枝
ここで、一般的に言われていることは
1)本葉が6枚のころに摘芯して、子づるの発生を促します。
2)追肥:苗が活着してつるが伸び出したころに1回目、果実が野球ボール大になったころに2回目を与えます。
3)子づるが伸びてきたら、生育のそろったものを4本残し、あとは摘み取ります。
4)つるが伸び出したら、順次敷きわらを広げ、泥のはね返りや地温の上昇を抑えます。
5)大玉スイカの場合は、子づるから出る孫づるは着果節くらいまでは摘み取り、それ以降は放任します。
6)果実が野球のボール大になったころ、やや長めの形のよいものを残して、1枝1個に摘果します。
7)収穫交配したとき、日付けを記入したラベルをつけておき、交配から1番果は40日ほど、
  2番果で30~35日経過したものを収穫します。
  その他、果実のついている節の巻きひげが枯れてきたころ
  果実のついている節の葉舌が黄変したころ、
  果実の花落ち部がくぼんで、押さえると弾力を感じるようになったころなどを目安に収穫します。
という事になっていますが、実際の状態は


これではとても【整枝】はおろか『摘果』もできませんね。


狭い圃場では
指南書の様にはできません。


やむを得ず?
ほとんど【放任】栽培です。
ただ、追肥と収穫の判断だけは
間違えぬようしています。
   
参考



農作業便利帳より
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まとめ
以上のような状態で、冒頭に書いた『もっともっと甘いスイカを作りたい』という
願望はまだ実現していません。
下記のように12度ぐらいのはできるのですが、13度以上のはできたりできなかったりで…
よく言われる「生育期の寒暖差」がない当地域では無理なのでしょうか?
それでも、何か方策は無いのか、挑戦を続けます。

ただ、正直言うと、(とても手が回らず))整枝・摘果をしない【放任栽培】ですので
これが一番の問題なのかもしれません。
’17の第1次製作分は管理不良により失敗しましたが、
通常に製作した第2次分(下記)はまずまずでした。
虎太郎西瓜 小 約 2kg
ふつう虎太郎は3.5kgから4.5kgと言いますので、「小」の部類。
スイカは大きい物の方が安心できますが、冷蔵庫に入れる等からは
『小さくて甘いスイカ』の方が好いのかもしれません。
アナログ糖度計(目視確認)で12程でした。
一般にスイカの糖度は9~12の様ですから、「まずまず」と言っていいのかも…
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大型トンネル での失敗
「生育中の温度不足で『種なしスイカが三角柱的に変形する』というので
保温のために複数の畝全体をトンネルにしたら好いのではと
大型のトンネルを作ってみた。
結果はこちら
(失敗作でした。)
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